これは、フランスでにあったである。パリのある下町に、たいへん欲の深い肉屋がいた。日の食事や衣服をしたり、女房にまでケチでとおした肉屋は、たいへんなをたくわえているというのでも有名だった。

　　ある日、その肉屋に、12ぐらいの女の子が肉をいにやってきた。500フランの代金をうというときになると、その女の子は「しまった。お金を忘れてきちゃった。おじさん、あとでお金持ってくるから、1これちょっとかって」といって、もっていたバイオリンをその肉屋にわたしていった。彼は、何なく、そのバイオリンを店の隅のほうに置いておいた。

　　さて、それから30分くらいすると、一人の老士が、肉をいにやってきた。1キログラムの牛肉をい、代金を支って店を出ようとした、その老士が､2店の隅にたてかけてあるバイオリンをた。それを手にとって、じっくりてから、大声でいった。

　　「このバイオリンはすばらしい。ストラディバリウスという世界的な名器だ。50万フランでいたい。ぜひゆずってくれませんか」と心に肉屋にむのだ。

　　だが、肉屋にしてみれば、自分のバイオリンではない。るわけにはいかない。そこで、肉屋は、持ち主の女の子にして自分がい受けてからこの老士にろうと考え、「明日の9にもう一度ここへ来てください。3おりしましょう」といって、その老士をした。

　　例の女の子は、すぐってきた。肉の代金を支い、バイオリンを受け取ってろうとした。

　　「ねえ、そのバイオリン、4おじさんにってくれないかね。あまりよいバイオリンじゃないけれど、うちの子もバイオリンをこれから始めるので一つ欲しいんだよ」

　　女の子が、しぶしぶうってもよいと言う返事をしたとき、肉屋は「しめた。女の子をだました」と内心大喜びである。彼は5万フランでそのバイオリンを彼女からり受けることに、まんまと成功した。先ほどの士に、50万フランでれば、45万フランのけだ。彼が喜んだのも当然だ。肉屋は、その女の子をだましていと思ったのか、先ほどの肉の代金を返してやった。彼の良心が、子供をだますことをよしとしなかったのであろう。

　　肉屋は、士のやってくるのを待った。だが、その老士は翌日の9になっても5やってこなかった。老士と女の子による画的なサギであったのである。

　　サギにあう人たちの中には、この肉屋のように、一攫千金をみる、けちな人、欲の深い人が多い。こどもをだまして、45万フランけようという“欲”が、物事を冷静にる目を失わせてしまったのである。

　　注1欲：お金や物などを欲しがる持ち

　　注2サギ：人をだまして、物やお金を手に入れること

　　1①「これ」とは何か。

　　1500フラン

　　2った肉

　　3バイオリン

　　4衣服

　　2②「店の隅にたてかけてある」とあるが、だれがたてかけたのか。

　　1肉屋

　　2肉をいに来た女の子

　　3老士

　　4肉屋の子

　　3③「おゆずりしましょう」とあるが、だれがだれにゆずるのか。

　　1女の子が肉屋に

　　2肉屋が老士に

　　3女の子が老士に

　　4肉屋の子が老士に

　　4④「おじさん」とはだれか。

　　1ストラデイバリウス

　　2肉屋

　　3女の子のおじさん

　　4老士

　　5⑤「やってこなかった」とあるが、それはなぜか。

　　150万フランを用意できなかったから

　　2バイオリンが欲しくなくなったから

　　3肉屋からお金を手に入れたから

　　4ほかに用事ができたから

　　6肉屋は、女の子にバイオリンの代金としていくら渡したか

　　1　50万フラン

　　2　5万フラン

　　3　5万500フラン

　　4　5万フラン

　　7肉屋についてこの文章からわかることは何か

　　1お金をけることがとても好きである。

　　2老人をだますことがとても好きである。

　　3子供をだますことがとても好きである。

　　4バイオリンをうことがとても好きである。

　　8この文章で者が一番言いたいことは何か

　　1大人は子供にだまされやすい。

　　2子供をだますことはよくない。

　　3欲の深い人ほどだまされやすい。

　　4欲の深い人をだますことはよくない。

　　正解

　　1-3 2-1 3-2 4-25-3 6-4 7-1 8-3