次の文章をんで、それぞれのいにする答えとして、最も当なものを1.2.3.4から一つびなさい。

　　私は十数年前から年朝を植えている。それは花をるためよりもが毒虫に刺されたのになるので、やさないようにしている。蚊や蚋は素より百足でも蜂でも非常によくく。を三四枚、の掌でく揉んでいると、ねっとりした汁が出て来る。それをと一に刺された所に擦りつけると、痛みでも痒みでもすぐ止まり、後、そこから何まで汁が出たりするような事がない。

　　私は今住んでいる海大洞台の住いの山の中腹に小さい掘っ立て小屋のを建てた。狭い所で、の前はすぐ急な斜地なので、用心のため、低い四つ目垣をい、その下に茶のをいた。ゆくゆくは茶の生垣にするつもりだが、それは何年か先の事なので、今年は京の百店でったかの朝のをいた。夏が近づくとそれらが四つ目垣にみ始めた。反の方に地面をう蔓があると、私はそれを垣の方にもどしてやった。茶も所々に芽を出したが、繁った朝のにの毒なくらい日光を受けられなかった。

　　朝、起きると、出に胡坐をかいて、草をのみながら、景色を眺める。そして未た、すぐ眼の前の四つ目垣にいた朝をる。

　　私は朝をこれまで、それほど、美しい花とは思いっていなかった。一つは朝寝坊で、いたばかりの花をる会が少なかったためで、多くたのは日に照らされ、形の崩れた朝で、その弱弱しい感じからも私はこの花をあまり好きになれなかった。

　　( ① ) 、この夏、夜明けにめて、いたばかりの朝をるようになった。カンナと比べ、ゼラニウムと比べて、このみずみずしい美しさは特なものだと思った。朝の花生命は一か二といっていいだろう。私は朝の花のみずみずしい美しさに付いた、なぜか、不意に自分の少年代を思い浮かべた。あとで考えたことだが、これは少年代、すでにこのみずみずしさは知っていて、それほどに思わず、老年になって、それを大美しく感じたのだろうと思った。

　　母屋からし声がこえてきたので、私は降りて行った。その前、小学校へ通う娘の押し花の材料にと考え、璃色と赤と小豆色の朝を一ずつ摘んで、それを上向けに持って段になった坂路を降りて行くと、一匹の虻が私のの回りをくび回った。私は空しいているほうの手で、それを追ったが、どうしても逃げない。私は坂の途中でちょっと立ち止った。と、同に今までんでいた虻は身を逆さに花の芯に深く入って蜜を吸い始めた。丸みのある虎斑の尻の先が息でもするようにいている。しばらくすると虻はびんだときとは反にやや不器用な振りで芯からけ出すと、すぐ次の花に——そして更に次の花に身を逆さにして入り、ひととおり蜜を吸うと、なんの未もなく、どこかへんで行ってしまった。

　　虻にとっては朝だけで、私という人は全く眼中になかったわけである。そういう虻にし、私はなにか近をえ、しい分になった。

　　( ① )のことばを次の中からびなさい。

　　1そうして　2そのうえ　3すなわち　4ところが

　　いたばかりの朝の美しさをあらわしている形容を、文章中からそのままき出して、六字できなさい。

　　この文章の素材の中には、朝の新さを盛り上げると同に、文章全体を生き生きさせているものがある。それは何か。